店舗総合保険と火災保険はどう違う?補償対象と選び方をわかりやすく解説
店舗保険
2026.01.30更新

大切な店舗を守るためにしっかりと考えたい保険ですが、種類が多岐にわたっているため迷ってしまうという方も多いはず。保険の中でも「店舗総合保険」と「火災保険」は、店舗に関する保険として良く耳にする代表的な保険ではないでしょうか。火災保険は通常の住宅保険としてよく聞くためイメージが湧きやすいかもしれませんが、その内容の詳細や店舗総合保険との違いはなかなか知られていないものです。そこで今回は、店舗総合保険と火災保険の補償範囲やその違い、そして保険を選ぶ際のポイントも交えてご紹介します。
店舗総合保険と火災保険
まず、店舗総合保険と火災保険の補償内容について説明します。
店舗総合保険
店舗総合保険とは、飲食店や小売店などの店舗を構えて事業を展開する事業主や企業に対して、さまざまなリスクから店舗の建物や設備・什器、商品などを守る保険のことを言います。業種によって想定されるリスクは大きく異なります。たとえば、飲食店であれば厨房で常時火を扱うため、火災のリスクが非常に高くなります。一方、雑貨店などは直接火を扱わないため火災リスクを抑えられる傾向にありますが、アパレル店などは商品が繊維製品で燃え広がりが早いため、飲食店に次いで火災リスクが高い業種と言えます。こうした業種特有の事情に合わせ、幅広い損害をカバーできるのが店舗総合保険の特長です。
火災保険
火災保険とは、火災による建物や家財道具などの損害を補償する保険です。 火災以外にも、落雷や爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災といった自然災害による損害も対象となります。 ただし、地震による火災は例外であり、火災保険単独ではカバーできないため注意が必要です。 地震被害に備えたい場合は、火災保険にプラスして地震保険への加入が必須となります。 一般住宅と事業所では火災保険の名称が異なり、事業向けは一般的に「普通火災保険」と呼ばれます。 普通火災保険も同様に地震火災は補償対象外となるため、事業所が地震リスクをカバーしたい場合には「地震危険補償特約」を付帯する必要があります。
店舗総合保険と火災保険の大きな違い
火災などのリスクから店舗を守るという点では、店舗総合保険と火災保険は同じように思えます。店舗総合保険と火災保険の違いはどこにあるのでしょうか。
2つの保険の違いは「補償の範囲」
店舗総合保険と火災保険の大きな違いは、補償の範囲にあります。火災保険は、火災や落雷、爆発、風災、雹災、雪災などによる損害を補償しますが、店舗総合保険はもう少し補償範囲が広くなります。火災保険にはない具体的な補償範囲は、落下物や飛来物による損害、水漏れ、デモなどの集団行動による損害、盗難、水災などが挙げられます。
つまり、火災保険の場合は補償範囲が絞り込まれており、店舗総合保険はその補償範囲が広がった保険であるということです。そして、それ以上に補償範囲を広げたい場合に、店舗総合保険にプラスして特約を付帯することになります。
店舗総合保険の現状と選択肢
近年、保険市場の動向により、大手保険会社では従来の普通火災保険や店舗総合保険の販売を見直し、商品数を集約する傾向が見られます。これにより、補償範囲やコスト、アフターフォローといった各社の特徴も変化しています。
こうした状況下でも、ご自身の店舗に必要な補償内容を検討することは依然として重要です。例えば、従来の火災保険ではカバーされない洪水や高潮などによる損害については、別途水災危険補償特約として付帯が必要なケースや、特定のパッケージ商品に組み込まれているケースなど、提供形態が多様化しています。また、店舗休業保険についても、特約として別途付帯するものから、災害時の復旧支援と合わせて提供される商品まで様々です。
そのため、ご自身の店舗に必要な補償内容とコストを、これまで以上にしっかりと確認することが求められます。
失敗しない!店舗総合保険の選び方とリスク別の注意点

店舗の保険を選ぶ際は、単に「安いから」という理由で決めるのではなく、「何を守り、どのようなリスクに備えるか」を体系的に整理することが重要です。ここでは、納得のいく保険選びのための4つの重要ステップを解説します。
1. 補償すべき対象を整理する(建物・設備什器・商品)
店舗総合保険の補償対象には、まず「建物」が含まれます。自社所有の店舗施設全体を対象とすることで、火災や落雷、爆発などによる建物損壊をカバーできます。加えて、建物内の「設備・什器」(例:レジや棚、厨房機器など)も重要な対象です。所有・使用している機器類の損害を補償させることで、営業再開までのリスクを軽減できます。
「商品・製品等」も補償対象に含められます。店内の在庫や販売用の商品は、火災や水濡れ、盗難などで被害を受けやすいため、補償設定が必須です。賃貸店舗の場合、建物そのものは対象外となり、設備・什器や商品が中心となります。
2. 店舗の構造(構造級別)を確認する
火災保険料は、店舗の柱や耐火性能に応じた「構造級別」によって設定されます。一般的に、コンクリート造(M構造)は最も保険料が安く、鉄骨造(T構造)は中程度、木造(H構造)は燃えやすいため保険料が最も高くなる傾向があります。木造であっても、耐火建築物や省令準耐火建物として認定されていれば、より低い料率の構造級別が適用される可能性があるため、施工業者や建築確認申請書などで最新の構造級別を確認することが、無駄な保険料を避けるコツになります。
3. 業種・立地特有のリスクを洗い出す
店舗運営に伴う主要リスクに対し、以下のようなトラブルが起きないか、具体的なリスクを想定してみてください。
- 飲食店や美容院を経営しており、水道トラブルによる水漏れが心配
- 大きな通りに面しており、自動車の飛び込み事故による建物損害が心配
- 近くに河川や堤防があり、大雨による氾濫や床下浸水が心配
- 地域の治安に不安があり、夜間の空き巣やレジ金の盗難が心配
- 火災や災害で店を閉めている間、収入が途絶えてしまうのが心配
4. 特約と免責金額でコストを最適化する
必要な補償を見極めて節約するコスト調整:
保険金額を「新しく買い直す費用」をカバーできる「再調達価額」で設定しつつ、不要な特約を外すことでコストを最適化できます。また、「免責金額(自己負担額)」を高く設定したり、「一括払」を選択したりすることでも保険料負担を軽減可能です。
賃貸店舗向けに欠かせない特約:
大家さんへの賠償をカバーする「借家人賠償責任保険」は必須です。さらに、お客さまへのケガに対応する「施設賠償責任特約」や、復旧期間中の家賃を補填する「家賃補償特約」も経営安定のために重要です。
よくある質問

飲食店で「食中毒」が発生した場合も補償の対象になりますか?
一般的な基本補償だけではカバーされないケースが多いため、特約として「生産物賠償責任(PL)特約」や「食中毒利益補償特約」を付帯する必要があります。
理美容業の施術中にお客さまへケガをさせてしまった場合も補償されますか?
施術中のミスや店内の設備不備による損害は、基本的に「施設賠償責任特約」などでカバーすることになります。
保険料は全額「経費」として落とせますか?
はい、事業運営に直接必要な保険料は、全額「損害保険料」として経費計上が可能です。自宅兼店舗の場合は面積比率などに応じた「家事按分」が必要です。
最適な店舗総合保険選びは保険シミュレーションで
業界・業種によって、想定される業務上のリスクは異なります。加入する保険が少ないと万が一の事故で補償対象外になる場合がありますし、不必要な保険に加入して想定以上の保険料になってしまうこともあります。まず、概算を出すために保険シミュレーションをしてみるのがおすすめです。
USEN少額短期保険が提供する「お店のあんしん保険」なら、構造級別の申告は不要で設備什器・内装造作の費用のみで簡単に保険料を算出できます。初めて開業する方や自分でリスクヘッジするのが苦手な方は、ぜひシミュレーションを利用してみてください。
迷ったら気軽にご相談を!
保険への加入は、想定外のトラブルに備えるために必要不可欠です。その補償内容やコスト、アフターフォローなど納得のいく保険に加入するためには、最適な保険を数種類ピックアップして比較するのがベストだと言えます。対面やオンラインで保険のプロに相談してみたり、Webサイトからシミュレーションを行ったりして、店舗の維持・管理のため、是非納得のいく保険を見つけてみましょう。
- 参考サイト
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日本損害保険協会
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/index.html -
AIG損害保険株式会社
https://www.aig.co.jp/content/dam/aig-sonpo/apac/japan/non-products/documents/service-claim-collateral-08.pdf -
三井住友海上
http://pro-ao.com/wp/wp-content/themes/generatepress_child/images/pdf_fire.pdf -
共栄火災
https://www.kyoeikasai.co.jp/pdf/corp/building/fu_kasai.pdf -
損害保険ジャパン
https://www.sompo-japan.co.jp/hinsurance/risk/property/order/
-
店舗保険のお役立ち情報
保険料シミュレーション
業種別にさまざまなプランの保険料をシミュレーションすることができます。
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