フリーランスでも入るべき!
美容院・サロンの賠償保険
損害賠償責任
2024.11.22
理美容サロン業界では、近年、店舗と個人間で雇用契約を結ぶフリーランスが増えています。勤務日数や時間に融通がきくことから、働き方の選択肢として注目が集まる一方、フリーランスならではの業務リスクが伴います。そこで本記事では、施術を行ううえで賠償責任が発生した実際の事例と、その対策として理美容サロン向けの保険についてご紹介します。
1.理美容サロンにおける業務リスクとは?
理美容サロンでは、薬剤の使用や、お客さまの身体に触れて施術する機会が多くあり、施術中のリスクが高いのが特徴です。カラー剤・ブリーチ剤・パーマ液が原因による事故をはじめとして、マッサージ中のケガ、火傷、カット中のケガなど、そのリスクは多岐にわたります。また、施術の前後においても、お客さまの洋服や手荷物を預かるため、汚したり壊したりしてしまうリスクや、紛失のリスクなどもあり、業務を行ううえで細心の注意が求められると言えるでしょう。
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- 美容室
ブリーチ剤がお客さまの洋服に付着し色が落ちてしまい、弁償を求められた。
お客さまから預かったメガネを誤って落としてしまい、破損させてしまった。
- エステサロン
施術中に強くマッサージをしすぎてしまい、お客さまの筋肉を痛めてしまった。
- ネイルサロン
ニッパーでジェルネイルをオフする際に力を入れすぎてしまい、爪がはがれ流血した。
- 美容室
実際に起きた事故事例
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ここ数年は、お客さまからの過度なクレームについてお困りの美容サロンの事例も増えています。
具体例として、美容室にてパーマをかけたお客さまから、「薬剤が身体に合わず髪にダメージが出た」と連絡があったため、施術料の返金と、お直しの施術をサービスで行いました。しかし、クレームが収まらず、ことあるごとに来店し、要求が強くなっていきました。このようなカスタマーハラスメントに対して、日ごろから備えておくことが大切です。そのためにも、保険の加入は、サービス業においては必須とも言えるでしょう。
参考:お客さまからの過度なクレーム行為
2.保険で業務リスクに備える
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施術を行うことで起きた事故のうち、お客さまの身体へ障害または財物を損壊してしまった場合に補償対象となるのが賠償保険です。これに加入することで、万が一事故が起きた際の賠償費用をまかなうことができます。しかし、賠償保険になかには、施術行為(髪を切る、カラーをする、まつ毛パーマやエクステを付ける、エステやマッサージ等)による事故が補償されない場合があるため、補償の対象範囲について事前に確認することをおすすめします。
①賠償保険とは?
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理美容サロンでは一般的に、店舗側で一括して賠償保険に加入するケースが多いようです。
しかし、店舗で賠償保険に加入している場合は従業員のみが補償の対象で、フリーランスや業務委託の方は補償の対象外となる可能性があります。施術を行っている店舗や、シェアサロンや面貸しのオーナーさまに確認してみましょう。
②賠償保険って誰が入れば良いの?
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賠償保険には店舗を契約者として加入する保険と、フリーランスのように個人でも加入できるタイプの保険があります。ただし、以下の表のように、引受対象外となる業種があるため事前に確認しましょう。
◎=補償の対象
△=補償の対象外の可能性あり
✕=補償の対象外
③フリーランスでも入れるの?
まとめ
賠償保険の加入は、フリーランスとして仕事をするうえで、必ずしも加入が不可欠な保険ではありません。しかし、理美容サロン業はお客さまに直接触れる機会が多いことから、お客さま自身を傷つけてしまったり、お客さまの持ち物を汚してしまったりするリスクと隣り合わせであると言えます。また、どれだけ気をつけていても、こうしたリスクを防ぎきることができません。万が一の事故におびえることなく、安心して施術を行うためにも、こうした保険で備えてみてはいかがでしょうか。
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