面倒な手間や書類はもういりません!アプリで簡単HACCP対応
HACCP
2021.07.30
2020年の6月より施行が開始されたHACCPによる衛生管理ですが、2021年6月に完全義務化となりました。そこで今回は、対象である飲食店を始めとする食品を取り扱う事業者が、簡単にHACCPの対応ができる方法をお伝えします。
HACCP(ハサップ)の手間を省くための方法
(1)HACCPとは
HACCPとは、食品の製造・加工、調理、販売等に携わる全食品等事業者が、原材料の入荷から製品の出荷までの全工程を自ら管理するシステムのことです。食品の安全を確保するために、食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握し、その要因を除去又は低減させるために、特に重要な工程を継続的に監視し、記録していきます。もともとは宇宙食の安全確保のために開発されたに衛生管理手法です。
(2)HACCP導入のメリット
厚生労働省によると、HACCPをすでに導入している食品等事業者などへの調査では、HACCP導入のメリットとして、社員の衛生管理に対する意識向上(78.2%)、社外に対して自社の衛生管理について根拠を持てるアピールできるようになった(43.1%)、製品に不具合があった場合の対応が迅速に行えるようになった(37.7%)、クレーム事故が減少した(32.3%)などがあげられました。導入によって、今まで以上にお客様から信頼を得られたことが、何よりも大きなメリットと言えるでしょう。
(3)HACCPの導入と管理工程
HACCP(ハサップ)を導入し構築していくには、「危害要因の分析の実施」や「管理基準の設定」、「記録と保管方法の設定」など、12の手順に沿って進めなくてはいけません。その1つ1つは難しく感じるかもしれませんが、どれも重要で手が抜けません。
実際の流れとしては、まず厚生労働省が用意している業種ごとの手引書に沿って、衛生管理計画を策定します。原材料の受け入れ確認から始まり、冷蔵庫の温度管理、器具やトイレの洗浄や消毒、従業員の健康管理に及ぶまでの衛生管理を計画します。
衛生管理計画が決まれば、計画に基づく実施が必要となり、全ての工程において内容を記録し、記録したものを保管していきます。保管期間は決められていませんが、万一何かあった場合にHACCPに沿って衛生管理をしていたことを証明できるよう、商品や提供する料理によっては、長期間の保管が必要になります。用紙に記録し保管していくと、保管場所が必要になり、整理して保管していないと探す時にも手間がかかるのが現状です。
(4)手間を省くには
工程の管理方法の計画や、衛生管理の記録や保管の作業には手間がかかります。また、作業が煩雑だと従業員へ負担がかかり、ミスを招きかねません。日々の管理作業などを簡単にするには、WEBやアプリを利用すると効果的です。書類が不要なので、保管場所の確保も不要になります。
HACCPのアプリ(「お店のHACCP」)で便利に
WEBやアプリを利用すると、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理計画や作業が簡単になります。どのように簡単になり、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
(1)HACCPのアプリとは
HACCPのアプリは、導入前に必要な衛生管理計画の作成から、導入後の衛生管理の記録や保管までの一連の作業をサポートしてくれます。
衛生管理計画表は、業種に合わせたテンプレートから項目を選ぶと自動的に作成でき、店舗に合わせて修正もできます。また、テンプレートを使わずに独自の計画表も作成できます。
毎日の記録は、項目に従ってスマホやタブレットの画面をタップするだけで簡単に入力でき、アプリによっては写真を撮って管理できるものもあります。
利用料金は運営する会社により異なるため、サービス内容と併せて確認しましょう。
(2)WEBとの組み合わせ
WEBの利用は、書類作成や温度等の管理と記録をサポートし、スマホやパソコンなどからいつでも確認ができるクラウドサービスになります。申し込みの際には一度運営会社へメールなどで問い合わせが必要なものもあり、アプリより少し手間がかかるかもしれません。
アプリとWEBを組み合わせたものもあります。現場では従業員がスマホやタブレットを使ってアプリを操作し、責任者はパソコンを使い、WEBで確認や記録の印刷などができます。
(3)HACCPのアプリを利用するメリット
前述の通り、HACCP(ハサップ)のアプリを利用すると、簡単に衛生管理ができるメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。
- 〇HACCPアプリを利用するメリット
- ・アプリをインストールするだけで、準備が完了する
- ・計画表や管理表が作成しやすいため、HACCP導入が簡単にできる
- ・チェック項目に沿って確認するので、確認作業が簡単
- ・スマホやタブレットで作業できるため、現場に持ち込みやすい
- ・ペーパーレスになり、保管期間中に資料が貯まらない
- ・過去の記録を画面ですぐ確認でき、印刷もできる
- ・データで簡単に資料を提出できる
- ・多くの工程を簡単操作で完結できる
- ・店舗や工場などが複数あっても、まとめて管理ができる
このように、アプリならではのメリットがたくさんあり、従業員へも責任者にもありがたいですね。
保険も忘れず
HACCP(ハサップ)のアプリを利用して、どんなに慎重に衛生管理に取り組んでいたとしても、食中毒や異物混入を完全になくすことはできません。もしもに備えて保険に加入しておくことは必須と言えます。食中毒や異物混入事故を起こしてしまった場合の損害額や、保険による補償について見ていきましょう。
(1)損害額
過去の訴訟とその判決の事例では、料亭で提供されたイシガキダイの刺身に、シガテラ毒素が含まれていたことにより、複数のお客様が食中毒を発症し742万円の損害賠償を請求されました。判決の結果、慰謝料など308万円の賠償額となりました。
(2)補償内容
食中毒や異物混入事故を起こすと、罰金やお客様への損害賠償に費用がかかります。また営業停止により休業すると、その間の収入がなくなり、今後の経営や従業員への給与等にも影響しかねません。このような事態に備え、「被害を受けた方への損害賠償金などに備えた補償」と、「営業停止による収入減少に備えた補償」がある保険に加入しておくと安心です。
- 〇損害賠償に備えた補償
- 生産や販売したものにより他人の身体や財物を損壊した場合、被害に応じた額が補償されます。
- 〇営業停止による収入減少に備えた補償
- 食中毒による営業停止処分で営業を休止した場合、一日当たりの平均的な利益額と休業日数をもとに計算された額が補償されます。
保険金の上限や詳しい補償内容は保険会社やプランにより異なります。内容をよく確認し、ご自身の事業所に合ったものに加入してください。
(3)保険金受取の実例
過去の保険金受取の実例をご紹介します。
加熱不十分の料理を提供し、18名が食中毒で通院したことにより、3日間の営業停止処分を受けた飲食店が、保険に加入していたことにより114万円の保険金を受け取ることができました。保険は、食中毒発生による金銭的なダメージを減らすことができ、精神的に不安な時の助けとなります。少しでも安心して経営していくために、加入しておくことをおすすめします。
HACCP(ハサップ)は、食品の衛生管理になくてはならない制度です。しかし、衛生管理ばかりに気を取られていては、本来の業務に支障をきたしかねません。簡単かつ正確に管理ができるアプリを利用し、負担なく管理してください。そして、万一に備えて保険にも加入しておきましょう。
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