飲食店が備えるべきは休業・損害・賠償の3つのリスク
業種別保険
2019.04.19
自分の飲食店を持つことを夢や目標に掲げている人も多いことでしょう。念願の「自分のお店」の開業は、嬉しさもあれば、現実的に様々な問題に直面することが予想されます。そこで備えておかなければならないリスクがあります。
今回は、飲食店が備えるべき3つのリスクについて解説します。
目次
急に休まなければならない「休業リスク」への備え
まずは休業リスクです。飲食店は営業してこそ売り上げを記録できます。
裏を返せば、営業できずに休業となることそのものがリスクとなりますが、休業リスクにも様々な種類が挙げられます。
想定外のトラブルによる休業
1週間のうち、1日、あるいは2日は休業日として設定していることでしょう。
こうした「予定通りの休業」に関してはリスクではありませんが、「想定外のトラブルによって休業せざるを得ない時」は、リスクです。例えば設備の故障。厨房施設あるいは建物そのものでのトラブル発生、あるいは自然災害等で休業せざるを得ない場合です。
この場合懸念されるのが、長期的な休業です。数時間程度のメンテナンスで問題が解決されるのであれば良いでしょう。しかし、原因を特定できなかったり、技術的に解決が難しいトラブルで長期間営業できなかったりするケースも考えられます。
体調不良による休業も考えられる
サラリーマンであれば体調不良の際には会社に連絡を入れて休むことができます。有給休暇が残っていれば、体調不良の休業であっても有休休暇を充ててくれる会社もあるでしょう。しかし飲食店経営では、体調不良で休業した場合、利益になりません。
特にインフルエンザの場合、営業どころか外出さえできません。
1日休んだだけで体調不良が改善すればすぐにお店を再開できますが、なかなか体調が戻らない場合、長期間休業せざるを得ませんが、その場合、長期間「収益が無い状態」になってしまいます。本人だけではなく、家族の体調不良の面倒を見なければならない場合にも同様のことが言えるでしょう。
周辺インフラ整備や他店など「周辺状況」による長期休業
店舗周辺を工事することになったため、状況的に休業せざるを得ないケースもあります。店舗の前を重機が「占領」しているような状況が続けば、お客さんがお店に入りにくいでしょう。営業してお客が来ない状況よりは、休業せざるを得ないと判断するのも致し方ないでしょう。
また、他店での火災の影響で自店が営業できなくなってしまうケースも考えられます。自分たちがどれだけ気を付けていたとしても、同じビル内の他の飲食店、あるいは隣に構える店舗にトラブルが起きて巻き添えをくらうケースも十分に考えられます。
お店やお客に対して損害を与えてしまうリスクへの備え
飲食店を経営していると、時に損害リスクに直面するケースもあります。
具体的に、損害リスクとはどのようなものなのかは以下になります。
経年劣化などお店の設備のトラブル
飲食店にとって設備はとても大切なものですが、これらが損害するリスクもあります。
経年劣化や、限界以上の負担を与えてしまった場合に厨房機器や給排水設備等にトラブルが生じ、損害を生じる可能性もあります。
飲食店にとって、それらの損害は営業停止を意味するだけに、これらのリスクにも備えておかなければなりません。
金庫の盗難・盗難にあった際の設備の破損
飲食店では決して多くはありませんが、盗難による損害も考えられます。
例えばお店の設備や売り上げを入れていた金庫が盗まれてしまうといった具合に、何かを盗まれてしまうリスクも十分に考えられます。
また、その際にお店が損害を受けるケースもあります。金庫を盗むためにお店の窓が割られたり、いろいろと物色されたおかげでテーブル、イスなどの設備が破損したりといったケースもあり得ない話ではありません。
地震・洪水など自然災害による損害
自然災害による損害も考えられます。地震、洪水等によってお店に損害が出ないとは言い切れません。決して誰かに過失がある訳ではない自然災害も、お店にとっては大きな損害です。
厨房等が正常に動かなくなってしまったら営業どころではありませんし、台風によって飛来物がお店に直撃して…といったケースも起こり得る話で、もしもそのようなことが起きたらどうするのかも考慮しておかなければなりません。
過失等により賠償責任を負ってしまうリスクへの備え
損害によって賠償責任を負わなければならないケースもあります。
お店が原因による損害を与えてしまうリスクは多々ある
賠償リスクの中でもいつどこで起きるか分からないリスクという点において厄介なのが「お店が原因の意図せぬ損害」です。
例えば急にお店の看板が落ちてお店に入ろうとしていたお客に損害を与えてしまう可能性もあります。熱い物を扱う飲食店の場合、従業員がお客に熱いものをこぼしてしまうといったことも考えられます。このようなシチュエーションに遭遇した場合、賠償責任を負うことになりますが、いわば「想定外」なだけに、防ぐことが難しいのが実情です。常日頃からお店の細かい部分にまで目を配り、従業員教育に力を入れたとしても、いつどこでトラブルが起きるかは分かりません。
その日たまたま調子の悪かった従業員がお客の前でミスをしてしまうこともあるだけに、このような損害を「完璧に防ぐ」ことは難しいでしょう。
飲食店ならではの賠償責任といえば食中毒
飲食店ならではの賠償責任といえば食中毒です。生ものなど、加熱が十分ではなかったり、細菌の繁殖によって顧客が食中毒になってしまった場合、賠償責任が発生します。食中毒の場合、賠償責任が発生すると共に、行政からの指導も入り、改善するまで営業できなくなるなど、飲食店にとっては是が非でも避けたいリスクですが、細心の注意を払っていたとしても、食中毒を起こしてしまう可能性はゼロにすることが難しいでしょう。
お店の過失によって他店に迷惑をかけてしまうケース
先に、周囲の状況によって休業せざるを得ない場合を紹介しましたが、逆の立場になってしまう可能性もあります。例えば自店の過失によって火災を起こしてしまい、他店が営業できない状況になってしまったら損害賠償の責任を負うことになります。火災のような大きなものだけではなく、水漏れが他の店舗に影響を及ぼし、損害を与えてしまうこともあります。飲食店は火も水も扱いますので、このようなトラブルも「あり得ない」とは言えません。
人為的なミスも重なり、他店により大きな損害を与えて損害賠償を請求されるリスクは常に考えておかなければなりません。
店舗保険に加入してリスクヘッジしよう
このように、飲食店経営には様々なリスクがあります。
売り上げに関してはどの飲食店経営者も目に見える部分として気にするかと思いますが、リスクは実際に起きるまで考えていなかった経営者も多いようです。
リスクは起きてから考えるものではなく、起きる前の段階で備えておくことが求められますので、店舗保険のように「いざ」に備えられるものに加入しておくことで、リスクを最小限に食い止めることが可能です。
飲食店経営は夢や理想ばかりではなく、リスクという現実とも向き合うことが大切です。
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