これから始める人必見!HACCPの簡単便利な導入方法
HACCP
2021.07.30

スーパーや食品工場、それに飲食店など、食品を扱う事業者にとって衛生管理には気が抜けません。提供した商品に異物混入や食中毒があっては、お客様の健康を損ない、信用も失います。2021年6月よりHACCP(ハサップ)による衛生管理が義務化されましたが、始めるにはどのような準備を進めればいいのでしょうか?これから事業を始める方も、ぜひご覧ください。
HACCP(ハサップ)とは
HACCPは、国際的な衛生管理方法です。食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因に対して、工程ごとに整理・分析・管理することで、徹底した衛生管理ができます。食品等事業者自らが危害要因を把握し、その要因を除去又は低減させるために継続的に管理していくことで、食品の安全確保につながります。
また、もし不適合な製品が見つかった場合、HACCPによる工程管理を行っていれば、記録をもとに原因を追究し、問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能です。
(1)HACCP義務化の理由
食中毒統計調査によると、食中毒の発生件数は近年下げ止まりの傾向にあり、ガラスや金属などの異物混入による食品回収事例の告知件数も増加傾向にあります。また、HACCPは先進国を中心にすでに義務化が進められており、日本から輸出する食品にも要件とされています。このような状況により、日本でも食品の安全性の向上のために国際標準であるHACCPの導入が義務化されました。
(2)HACCPに沿った衛生管理の導入
HACCP(ハサップ)による衛生管理方法は、食品等事業者の規模により異なります。ここでは食品等に携わる従業員が50名未満である事業場(小規模営業者)での導入についてご案内します。
小規模営業者がHACCPに沿った衛生管理を導入するには、食品等事業者団体が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書を参考に以下の6つの内容を実施していれば、HACCPに沿った衛生管理を遵守しているとみなされます。
- 〇小規模事業者が実施すること
- 1.手引書の解説を読み、何が危害要因となるかを理解する
- 2.手引書のひな形を利用して、衛生管理計画を準備する
- 3.計画の内容を従業員に周知させる
- 4.手引書の記録様式を利用して、衛生管理の実施状況を記録する
- 5.手引書で推奨された期間、記録を保存する
- 6.定期的に振り返り、必要があれば衛生管理計画を見直す
(3)実際の管理工程
では、実際に原材料の入荷から製品が出荷されるまで、どのような流れで管理していくのか見ていきます。
- 〇原材料の入荷から製品の出荷までのHACCPによる管理の流れ
- 1.原材料入荷:受入検査・記録
- 2.保管:温度や密閉性の確認・記録
- 3.加熱:殺菌温度や時間を継続的に確認・記録
- 4.冷却:水質や水温の確認・記録
- 5.包装:異物の検出、衝撃、温度の確認・記録
- 6.出荷
HACCP(ハサップ)を始めるための事前準備
HACCPを始めるには、まず手引書を参考に衛生管理計画を策定しなければいけません。計画が決まれば計画に基づいて衛生管理を実施し、記録していきます。
計画を立てる作業や、日々の確認や記録業務は、どのような形でも構いません。ぜひご自身の事業所に合った方法で準備を進めてください。
代表的な3つの方法の特徴やメリット・デメリットは下記の通りです。
(1)用紙
- <特徴>
- 衛生管理計画表を紙ベースで作成し、日々の衛生管理や記録も用紙を使って作業します。計画表や記録表は保健所から提供されることが多いので、お持ちでない場合は保健所へ問い合わせてみてください。
- <メリット>
- ・スマホやパソコンを持っていない人でも作業ができる
- ・インターネット環境がなくても作業ができる
- <デメリット>
- ・作業中に用紙が汚れる可能性があり不衛生
- ・チェックが漏れていても気付きにくい
- ・書類の保管場所が必要
- ・書類を紛失する可能性がある
(2)WEB
- <特徴>
- スマホやパソコンなどを用いて記録し、クラウド上に保存しておくことができます。
- <メリット>
- ・簡単な操作で文章や図表を作成できる
- ・データの長期保存が可能
- <デメリット>
- ・インターネット環境が必要
- ・パソコン操作が苦手な人には不向き
- ・フォーマットの作成が面倒
(3)アプリ
- <特徴>
- 衛生管理計画表の作成から日々の業務まで、多くの工程を簡単操作で完結できます。
- <メリット>
- ・基本的なテンプレートがある
- ・スマホやタブレットの画面をタップするだけで作業ができる
- ・その場ですぐチェック漏れがわかる
- <デメリット>
- ・スマホやタブレット操作が苦手な人には不向き
どの方法もメリットとデメリットはありますが、現場で実際に作業をする従業員や取り仕切る責任者が使いやすいものを選ぶと、作業の負担が減り、効率も上がります。
問題なくHACCPによる衛生管理を進めるためには、準備段階である衛生管理計画をしっかり立てることが重要です。しかし、全行程の計画を正しく立てていくのは難しく、時間もかかります。アプリのように、簡単に作成できる機能があると助かりますね。
HACCP(ハサップ)のアプリ(「お店のHACCP」)とは
HACCP(ハサップ)による衛生管理は、多少なりとも手間がかかります。特に用紙での管理は保管期間中に資料がたまり、見返すのも大変です。アプリを利用すると簡単に作業することができ、ペーパーレスにもつながります。特にアプリは申込などの手続も簡単で、気軽に始めることができます。HACCPのアプリについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
(1)アプリでできること
衛生管理計画表の作成に始まり、毎日の記録やデータの保管に至るまで、一連の作業を全てサポートしてくれます。業種に合わせたテンプレートから必要項目を選ぶだけで衛生管理計画表が作成でき、毎日の記録も、項目に従ってスマホやタブレットの画面をタップするだけでできます。また、データの印刷も可能で、保健所などへの資料提出も簡単にできます。
(2)その他のメリット
上記にあげたもの以外にも、HACCPのアプリにはメリットがまだあります。
- 〇アプリ利用のその他のメリット
- ・様々な表を作成しやすいため、HACCP導入が簡単にできる
- ・スマホやタブレットで作業できるため、現場に持ち込みやすい
- ・過去の記録を画面ですぐ確認でき、印刷もできる
- ・多くの工程を簡単操作で完結できる
- ・店舗や工場などが複数あっても、まとめて管理ができる
アプリならではのメリットはたくさんあります。上手に利用して作業の負担を減らしてください。
保険で備える
HACCP(ハサップ)に沿ってどれだけ慎重に作業をしていたとしても、食品への異物混入や食中毒を発生する可能性はあります。万一そのようなことがあった場合に備えて、保険に加入しておくと安心です。
(1)損害について
食品衛生法では、異物混入等により人の健康を損なうおそれのあるものの販売は禁止されています。つまり、たとえ故意でなくとも、異物混入は食品衛生法違反になる場合もあり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、食中毒はお客様への損害賠償金以外にも、見舞品代、飲食代や購入品の返金、事故の調査代や現場の消毒代など様々な費用がかかります。さらに営業停止になった場合、その間の収入はないです。
(2)保険の補償について
異物混入や食中毒が発生すると、その規模によっては大きな損失を被ります。そのために、被害を受けたお客様への損害賠償等による費用に備える補償と、営業停止による収入減少に備える補償があると安心です。支払われる保険金額の上限や条件、保険料や詳しい補償内容は保険会社やプランにより異なります。しっかり確認して加入してください。
HACCP(ハサップ)の導入は難しく思われがちですが、アプリを利用すると簡単に始められるうえ、様々なサポートもあり便利です。また、保険による食中毒などへの備えもあれば、より万全に安全対策ができます。安心して衛生管理をしていくために、ぜひこれらを活用してみてください。
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